戦場カメラマン

 躁状態の特徴の一つとして、次々と色々なことを思い付いてしまい、行動したり、人に話したくなる。考えをまとめて整理してから話すということができなくなるため、思いつきを思い付く端から大声で、早口で喋りまくってしまう。しかも、この状態を放っておくと、躁状態が加速して、ますます激しくなるようだ。

 これを抑える方法の一つとして、聞き役が、あるいは話す患者が、意識してゆっくりと落ち着いて話すようにすると良いみたいだと気がついた。お母様が双曲性気分障害を患っている方も、同じ事をおっしゃっていた。

 しばらく前までは、躁状態で早口に、大声になっている事を指摘されてもそれを理解できず、そればかりか、それを指摘されることに対して腹を立てるほどであった。

 しかし、今では躁状態の早口・大声に自分で気づけることもあり、また、それを指摘されれば自分でもある程度、自己抑制することが可能となってきた。

 知人にこのことを話すと「それじゃ、戦場カメラマンの渡部陽一さん*1になればいいんだね」と。それ以来、躁状態の私の話し方に気づくと、「くにさん、戦場カメラマンになった方がいいんじゃないかな?」と言って気づかせてくれるようになった。今では「戦場カメラマン」が躁状態を沈めるための合い言葉のようになっている。

 幸い、今では自分が躁状態なのか鬱状態なのかを自覚できることが多くなるつつある。

 だから、他にも躁状態のための、そして鬱状態のための「合い言葉」を見つけておければ、症状が軽くなるかも知れないな。