「夜書いた恋文は〜」

 「夜書いた恋文は、朝ポストに出す前に読み返せ」とは、フランスの詩人ミュッセの言葉のようです。

 相手への想いは、どういう訳か夜になると激しさを増すのでしょうか。高ぶる情熱のあまり、書いている時には自己陶酔状態にも陥っているのかも知れません。
 しかし、後で冷静になって読み返すと、自分でも恥ずかしくなるような、あるいは歯の浮くような言葉や言い回しみ満ちていたりする。だから、夜に書いたラブレターは、朝、ポストに出す前に、醒めた頭で読み返せ、というわけ。

 で、夜に書いたラブレターが、なぜ「躁うつ君」と関係あるかというと…

 躁状態で「これはいいアイディアだ!誰かに早速伝えなければ!」「これは黙って見過ごせない!一言言わずにはいられない!」「俺が書かずに誰が書く!?」など、「何かを誰かに伝えたい!」という思いが募ることは、非常に高い頻度でやって来ます。少なくとも私の場合。(しかし、躁うつ病患者の典型的な症状の一つとも言えるようです。)

 何かを伝える手段と言えば、言うまでも無く今は電子メールが主流。私も迷わず、メールソフトに向かいます。そして、「書きたい!」「書かなくては!」と思ったことを書き付けていきます。日中は仕事があるし、夜は夕食、入浴など。また、躁状態では眠くならない。自ずと書くのは深夜になります。

 書き終わったら、すぐ送信、と行きそうなものですが、この時いつも、どういう訳か私の脳裏には冒頭の「夜書いた恋文は、朝ポストに出す前に読み返せ」の言葉が、必ず浮かんできます(よほど辛い失敗でもしたことあったかな?(^_^;)。そこで、メールは送信箱では無く、一旦、草稿箱に保存。そして、ミュッセの言葉通り、朝になってから、何度も何度も読み返します。

 しかし、この場合、「情熱的に執筆した私」も、「朝になって(冷静になったつもりで)読み返している私」も、同じ躁状態の私。ハイテンションな私が書いた文章を、同様にハイテンションな私がチェックしているのだから、あっさりOK。で、メールを送信。電子メールは即座に届いてしまう。後で鬱状態に戻って我に返った時には、もう後の祭り。

 うーん、先人の教え通りにチェックしているのに、全然チェック機能が働かない。だれか、いい方法があったら教えてー!