訳の「分かる」涙

 昨夜もまた、声を上げて泣いてしまった。理由の分からない嗚咽は最近珍しくないが、自宅ではほとんど無かった。

 だが、昨夜に泣いた理由ははっきりしていた。私の辛さを一番理解して欲しい妻が、一向に理解してくれず、あまりにも強い孤独感に堪えられなかったから。

 しかし、理由のはっきりしている涙は、心の中のもやもやを、苦しさを、ほんの少しだけれども軽くしてくれるのかも知れない。今朝は胸への締め付けが、ほんの少しだけ弱まっているような気もする。何となく。ほんの少しだけれど。