仲間の「ブレーキ」に命拾い

妻が乳がんの治療で通院中だ。病院が近いのと、私の仕事が裁量労働制なことから、可能な時は車で送り迎えしている。

 さて、昼休みは毎日、職場の「オカ友」と一緒にオカリナのお稽古をしているが、昨日は妻の通院日なので出席できないと告げにいった。

 部屋へ行くと開口一番、「大丈夫?最近辛そうだけど」と。私がここしばらくの躁状態を、直接伝えたり、ブログを読んで頂いているから、気遣って下さっている。有り難いことだ。

 「ええ、お陰様で大分落ち着いてきました。まだ、ちょっと上がっちゃってますけど。今はケンカモードから空回りモードかな」と私。続けて、
 「あ、そうそう、今日は妻の通院日なので、お稽古はお休みします」と告げた。すると、

 「え!?今は車の運転、しちゃいけないんじゃ無いの?」

 以前、私はごく軽い躁状態だったにもかかわらず、危険な運転をしたことがあり、躁状態での運転防止を防ぐためのチェックボードを作ってある。そのこともお伝えしてあった。(「躁なら乗るな」参照)


 躁状態の自覚があるにもかかわらず、運転するつもりだった私。普段はチェックシートを運転席に置いているが、後部座席に置き忘れていたらセルフチェックも忘れていただろう。妻も私が躁状態にあることは知っていても、私が車で送ることに疑問を感じてはいなかった。

 危ないところだった。気付かずに運転しても、何も起こらなかったかも知れない。だが、明らかに強い躁状態が続いていたこの頃。危険性は普段よりも高かったはずだ。単独事故で自分の、あるいは自分たち夫婦の命を失うだけだったらまだ良い方だが、他人様の命を奪ったり、ケガをさせてしまってからでは遅すぎる。

 多分、同じ職場のほとんどの方は、昨日の昼の私を見ても、「ちょっと今日はテンション高いかな?」と思うか思わないかと言ったところだろう。躁うつ病であることはお伝えしてあるけれども。

 だが、オカ友の皆さんには、そういった私の症状や出来事、現在の状態を直接、間接(ブログ)にしばしばお伝えしているので、一連のことを理解して下さり、時には注意を促して下さる。その中のお一人は、違う病気ではあるが持病をお持ちで辛い思いをされているので、殊更に私の病気のことを気遣い、理解して下さっている。いってみれば、「オカリナ仲間」であると同時に「病気仲間」でもある。

 良き仲間、良き理解者の存在は、本当に貴重で有り難いものだ。ちなみに、夕方にもう一度お会いした時には、「今のくにさんは、お昼のくにさんとは明らかに違うね。大分落ち着いてきたね」とも。それ以上に見抜けるのは、妻をおいて他にいない。

 注意して下さったオカ友の皆さん、病気仲間でもあるAさん、どうもありがとうございました。