やはり、乳がんか。

 胸にしこりを見つけた妻を連れて、早速、国立病院へ行き、検査してもらった。2日にわたる検査の結果は、「黒」。予感はしていたものの、宣告されるとさすがにへこむ。

 先生から検査の結果の説明を受け、治療法についても説明を受けた。ぐずぐずしていても仕方が無い。早速、治療開始をお願いした。

 幸い、がんは初期の段階で、リンパへの転移も見られない。安心材料ではある。

 治療は、まず約4ヶ月間、3週間に1度の化学療法(抗がん剤の点滴)。その後、摘出手術と1週間ほどの入院。その後は、(記憶があやふやだが、確か)2〜3年間のホルモン療法。検査の結果、妻はホルモン療法が効きやすい体質なのだそうだ。これも安心材料か。がんがまだ小さいためであろう、手術も「乳房温存手術」で出来るという。

 勤務時間を上手くやりくりすれば、病院への送り迎えだけで無く、付き添ってやれることも多いだろう。しかし、秋から冬にかけて、私は何度か出張が続く。それも、一週間不在にすることも度々。だが、3週間に1度の化学療法、どういう訳か一度も出張の時期と重ならない。神様から、「一緒にいてやるように」とのお告げだろうか。

 今ではがんは、治る病気と言われている。家族、知人を通じて、実際に乳がんを患い、その後、完治して元気に過ごしている人たちの話しも聞いている。怖がることは無い。幸い、私の双極性気分障害はかなり落ち着いてきている。乳がんとの闘いは、治療の副作用や病気への不安などに悩まされることになるだろうが、これから数年の間、二人三脚で乗り越えていこう。大丈夫だ。