これも自分の人生。

 ご存じの方も多いと思うが、メジャーリーグ、ツインズの西岡剛内野手(26)は、敵地でのヤンキース戦に「2番・二塁」で先発し、7回1死一塁からの三ゴロで二塁カバーに入った際、一塁走者のスライディングを受け左足を痛めて退場した。X線検査を受けた結果、左すねの腓骨(ひこつ)骨折と判明し、チームは15日間の故障者リスト(DL)に入れた。本拠地開幕戦を翌日に控え、長期離脱というまさかのアクシデントとなった。 http://ichigen-san.iza.ne.jp/blog/entry/2233156/ 

 この後の西岡選手の言葉が驚きに値する。

 シャワーを浴びながら、西岡は必死に現実を受け止めていた。松葉づえ姿のロッカーで、苦笑いしながらポツリとつぶやいた。

    「最悪」。

 しかし、この一言で肩を落とす自分に別れを告げた。次の瞬間から、前を向いた。

    「しゃあない。これも自分の人生。運命だから」。

悔しさを封印した。

 諦めるでもなく、悔やむでもなく、相手を責めるでも無い。すべてをありのままに受け入れようという姿勢。この精神的屈強さこそが、彼を一流のアスリートたらしめている所以なのだろう。

 私は持病があり、しばしば「最悪」と、己と己の病気を罵らずにはいられなくなる。特に、うつ病相に陥ったときには、「最悪。何で自分はこんな思いをしなくてはならないのか」と。でも、そんなことをしていても、何も良くはならない。むしろ、周囲の人まで不快さの渦中へ巻き込んでしまうだろう。
 怒っても、罵っても始まらない状態。西岡選手の言葉、少しでも頭の片隅に置いておきたい。