【続】「心の病気」を理解してもらうことの難しさ

 少なくとも、もうひとつ、大切なことを忘れていた。

 脳内で起きている不具合は、薬である程度治せるだろう。

 うつ病になりやすい性格は、カウンセリングや本人の「気づき」で改善すると期待される。

 では、病気では無いが、周囲から快く思われない性格は?性癖は?

 これも、カウンセリングや本人の「気づき」で、ある程度改善すると期待したい。

 病気でも無いのに、私が他人に不愉快な思いをさせている言動はないだろうか?いや、何も無いはずはないだろう。「無くて七癖」などとも言う。

 だが、自分でそれに気付くのは難しい。自分では当たり前になっている事が、他人には不快だったり、時には許しがたいこともあるかも知れぬ。

 これに気付かせてくれるのは誰か?心理カウンセラーもその一人だろう。だが、もっとも心強いのは遠慮無く自分の悪い点を指摘してくれる、身近な人々。家族、友人、知人など。

 つまるところ、「心の病気」への理解も、「病気では無いが困った性格」の修正も、欠かせないのは周りの人々との信頼関係ということになるのかも知れない。

 よく、両親や恩師が口にしていた。「心配される内が華」だと。この言葉にも通ずるような気がする。