いじめ

 ある方のブログを読んでいて、ふと、思い出した。中学生の時の同級生が、いじめに遭っていたことを。
 パシリをやらされていたり、金をせびられたり、ケガを負わせられていたり。
 彼は、単なる同級生というよりは、友人レベルの付き合いだったはず。だけど、何もしてあげられなかった。怖くて、何もできなかった。
 彼が、あざや傷を隠そうとしていたり、家のタンスからお金が消えていたりするのを不審に思った(というか、いじめを確信した)彼のお母さんが、私の家を訪ねてきた。

お母さん「(上に書いたようなことがあるんだが)家の息子はいじめに遭っているのですか?」
私「はい、そうみたいです…」
お母さん「誰も息子を助けてはくれないのですか?黙ってみているだけなんですか?」
私「はい…」

 ギクリとし、恥ずかしく、申し分けない。いや、この感情は何と表現したら良いのだろう。耐えがたいような、重苦しい気持ちで、彼のお母さんが帰っていく後ろ姿を見送った。今でもはっきりと覚えている。今でも時々、夢に見る。

 彼とは同じハンドボール部に所属していた。救いだったのは、彼がハンドボールの練習に打ち込み、上達して自信を付けることで、いじめる連中を跳ね返していったように見えたこと。私だけでは無く、顧問の先生もそう言っていた。きっと、彼はそうやって強くなったのだろう。
 今頃、彼はどこで何をしているのだろう。どんな生活をしているかは分からないが、子どもがいじめられていたり、いじめられている同僚がいたら、きっと手を差し伸べてあげているのに違いないだろう。
 あれから、もう30年近くが過ぎた。せっかく、彼のことを思い出したんだ。苦々しい想い出に自分を責めるばかりで無く、遅ればせながら、彼から何かを学び取るべきだな。
 以上、今日、気付いたこと。